おはようございます、 Ro(@rosumiblog)です。
今回はアスリート・トレーニング指導者向けのS&Cに関する内容です。
トレーニングを効果的に実施するための有効な手段として体力測定というものがあります。
測定結果を正しく利用すれば、アスリートの体力を向上させ、競技力の向上に繋げる事が出来ます。
反対に間違って利用すれば、効果のないトレーニングを実施したり、体力低下につながる恐れもあります。
みなさんはこれまで
「あの測定は何のためだったんだろう?」
と疑問に思ったり
「測定やりきったー」「いろんなデータが取れた」
とやった事に満足してしまって、その後のトレーニングに活用しなかったなんて事はありませんか?
私も学生アスリート時代に似た経験があります。
学年が変わり、チームが本格的に新体制で始まるという時期に、毎年トレーニングコーチを招いて、体力測定を実施していました。
しかし、その後そのコーチが招かれる事はなく、測定結果を貰わない事もありました。
私たち選手も測定が終わって満足し、いつの間にかその事を忘れてしまっているという事がありました。
本来、体力測定は競技力向上にとても有効なツールで様々なメリットがあります。
- 現状確認
- アスリートのモチベーション維持
- プログラムの効果の確認
- それを今後のプログラムに反映
- アスリート・コーチにコミュニケーションの場になる
アスリート・コーチにとっての体力測定の重要性を詳しく解説していきます。
測定結果は適切に使うと有効なツール
アスリートにとっての重要性
モチベーションの維持
定期的に体力測定をする事でアスリートはモチベーションを保つ事が出来ます。
基本的に、トレーニング開始時の測定以降もアスリートは定期的に測定を行います。
その測定結果の数値が前回より上がっていると自分の成長を視覚化出来るので、選手は成長を実感しやすくなります。
なかなか成長が目に見えないときついトレーニングを継続するのは難しいですよね。
反対に成長が実感出来るともっと頑張ろうという気持ちになります。
コーチは毎測定時にアスリートの数値が上がるように試行錯誤し、競技力向上に繋がるトレーニングを提供しなければなりません。
自分の長所・短所を知れる
測定結果を見ると、アスリートは自分の優れている能力・足りない能力を数値化する事が出来ます。
指標となるものがないと何をすれば良いのかわかりませんし、間違った努力をしてしまう事もあります。
そして、指標が出来るとアスリートの弱点を明確にし、今後の方向性を決める手助けをしてくれます。
自分の能力を客観的に把握し、正しい努力をするためにも体力測定は有効なツールになります。
コーチとの信頼関係を築く事が出来る
体力測定実施時や測定結果を共有する事はコーチとコミュニケーションを取る良い機会になります。
- 自分はどうなりたいのか
- 何が足りないのか
- そのために必要な事は何か
試合に勝つために必要な事を話す絶好の場になります。
そこで有意義な会話が出来れば、コーチの提供するプログラムを信頼し、意欲的にトレーニングに臨めるようになります。
コーチとの信頼関係はアスリートのメンタル面をサポートする重要な要因にもなります。
コーチにとっての重要性
適切なプログラムを作成出来る
アスリートが十分な身体能力を有している事が前提ですが、トレーニングの開始時(再開時)に体力測定する事で、その数値がこれからのプログラムの指標になります。
指標が明確になれば、コーチは試合期に出来るだけアスリートの体力を高い状態に維持させたり、1番大切な大会をピークに近い状態で臨むためのプログラムを作成する事が出来ます。
最初に行った測定の結果は、今後のトレーニング計画に大きく影響するのでコーチは適切な測定項目を適切な方法で実施する必要があります。
トレーニングの効果の確認・改善が出来る
1番最初の測定以降も定期的に体力を測定する事で、その間の期間の身体への適応を確認する事が出来ます。
狙い通りに数値が上がっているのなら問題はありませんが、数値が停滞しているのならプログラムに問題があるのかもしれません。
測定結果やアスリートとの対話によって、その都度プログラムをアップデートする必要があります。
コーチはトレーニングが競技力向上に繋がる様に、身体への適応には常に注意が必要です。
アスリートとの信頼関係を築く事が出来る
アスリート視点の項目にもありましたが、コーチがアスリートから信頼を得る事はとても大切です。
信頼関係とアスリートのトレーニングに対する姿勢は密接に関係していると思います。
信頼関係があるとアスリートは素直にプログラムを実施し、トレーニングへの理解も深まるので、より効率的なトレーニングを行う事が出来ます。
また、アスリートとのコミュニケーションはプログラムの問題を見つけたり、アスリートの疑問・不安を解消出来る事があります。
アスリートの競技力向上のために、アスリートの考える事や悩み、ストレスを減らす事は重要です。
体力測定の目的を間違えるとどうなるのか
手段の目的化
体力測定する事が目的になってしまうとトレーニングが競技力向上には繋がりません。
例えば、1日あるいは数日を使って様々な種類の測定を行ったにも関わらず、コーチもアスリートも数値を収集したというプロセスに満足してしまって、その後何もしない事があります。
また、そもそも長い時間を掛けて行った測定項目の中で、今後のトレーニングに関係のないもの(競技力向上と関係のないもの)が多く、測定した項目の多さに満足してしまう事もあります。
測定を定期的に行い、測定結果を利用しなければプログラム内容がブレてしまい、効果のないトレーニングをしてしまったり、無理なトレーニングをした場合は怪我にもつながる恐れもあります。
そして、今後のトレーニングに関係のない測定項目はたとえ数値が伸びても競技力には繋がらないため、アスリートの時間と体力の無駄遣いになってしまいます。
これではきつい体力測定をやり切った事や沢山の測定項目を時間を掛けて実施した事によるただの自己満足になってしまいます。
アスリートにとって時間はとても大切なリソースです。
限られた時間の中で最大限の効果を発揮出来るように、可能な限り削れるものは削らなければなりません。
手段と目的は常に間違えないように意識しましょう。
まとめ
体力測定は適切に使うとトレーニングを実施する上でとても有効なツールになります。
アスリート視点
- モチベーション維持
- 自分の長所・短所を知れる
- コーチとの信頼関係を築ける
コーチ視点
- 適切なプログラムを作成出来る
- トレーニング効果の確認・改善が出来る
- アスリートとの信頼関係を築ける
体力測定そのものが目的にならないように「手段の目的化」には注意しましょう。
体力測定に関わらず、アスリートやコーチはトレーニングや競技練習をする時に「なぜそれをやるのか」を常に意識し、少しでも試合に勝つための準備をする事が大切です。
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